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風暖にして鳥声砕く

手が2本、脚が2本伸びており、着物と間食をこよなく愛する。 主食はグミ。好きなおやつは雪の宿。豪快に笑う習性をもつ。


都です。 春! 暖かくなっただけで一気に気分が上がります。

先日、お茶室で拝見したお軸。

春の始まりに相応しい、気分の高まりを象徴していたのでご紹介します。

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お花は胡蝶佗助(コチョウ ワビスケ)という小ぶりのツバキ。枝はつぼみを付けた伊予みずき。

穏やかな春のはじまりを感じる、とても素敵な床の間の設えでした。

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お軸の言葉は

「風暖にして鳥声砕く」

暖かい風に乗って鳥の声が聴こえる、という意味です。

唐末の詩人が書いた詩の一部で、

元々は、中国の春秋時代・呉王の寵を受け国を傾けさせた美女の恨み言を綴った内容なんだそうです。

こんなに穏やかな一文の影に、恨み言が隠れていたことにびっくり...。

さて、この後にはこう続きます。

「日高く花影重なる 年々越渓の女 相憶う芙蓉を採りしことを」

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若くして美しいがために却って身を誤ってしまった。

お化粧をしようと思うけど、どうしてもその気になれない...。

(もやもや...気力もなく家でぐうたらする美女)

私は一体どうすればいいのでしょう...

(遠い目、外を見遣る美女...)

春風は暖かく、小鳥の声はあちこちに砕け散るようです。日は高々と上がって花の影は重なります。

私も昔嬉々として花を摘んだ頃があったなあ!

(くすりと微笑む...美女。頬は高揚で赤らみ、まるでチークをさしたかのよう...)

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...美女への妄想が膨らみすぎましたが...こんな意味です。笑 

春の長閑な情景に、迷いも悟りも忘れ、酒々落々、悠々自適の境地。

それこそ禅者が感得した境涯なんですね。「陽気」とは気候のことでも、気持ちのことでもあるから面白いですよね。

さて、迷いも花粉症も吹き飛ばして、お出掛けしましょう!

春は各地でピクニックやマルシェ等も開催されています。

そして、もちろんブルースタジオでもこの週末、こんな趣向を凝らしたイベントを開催していますよ。

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「くらしは楽しいんだ」の会

http://www.bluestudio.jp/bs_news/000878.html

予約定員制なのでお早めに!





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