秋ですね。
食べ物が美味しい時期になりました。
私は美味しい食べ物が大好きですが、
食べ物を美味しく演出してくれる食器も大好きです。
今回は、そんな私の食器の思い出を少しお話ししたいと思います。
↑こちらはフィンランドのARABIA陶器ブラックパラティッシ
出来合いのおかずを買って来ても、
素敵な器に盛り直すだけで、少し趣が加わりますよね。
つくづく、美味しいとは目からも味わう物なのだなと感じます。
私の食器好きは母から受け継いだもの。
スーパーで買って来た出来合いのお寿司等、それをそのまま食卓に置こうものなら、
母から「そういう色気の無い事をしないで」と言われました。
せっかく食べ物を頂くのだから、少しでも美味しく食べられる努力を惜しむなと。
食べ物への執着心も母から受け継いだようです。
最初に西洋陶器を意識したのはウエッジウッド。
食欲旺盛でわんぱくな兄二人がある程度大きくなり、
自分自身の為にも少しお金が使えるようになった時、
まず母が買ったのがウエッジウッドのキャベンディッシュでした。
鳥羽国際ホテルで使われていた食器がずっと欲しかったのだそうです。
なんだかとても滑らかで優雅な食器があるんだなと思った記憶があります。
たまーに、都会のデパートへ母の食器ショッピングに連れて行って貰う。
そんな事に心ときめいたものでした。
そんな母の食器好きは母の父である祖父から受け継いだ物。
祖父は三重県津市にある広永陶苑の食器をよく購入していました。
こちらの陶苑は三重県の銀行、百五銀行でかつて頭取を務めておられた川喜田久太夫さんが開いた窯です。
川喜田久太夫さん、別名を川喜田半泥子と言います。
川喜田半泥子とは「東の魯山人、西の半泥子」と呼ばれていた陶芸家です。
ご自身は終世作品を売った事がなく、御譲りになるばかりだったそうですが、
その御弟子さん達の作品を広永陶苑では購入する事ができます。
(詳しくはこちら→http://www.chitose.co.jp/)
料理上手の祖母が作った料理を広永物に載せて頂く。
子供の頃はそんな贅沢をさせて貰っていました。
和食器には和食、洋食、中華、何でも合いますが、
まだまだ祖母が作っていたお皿(料理)は私には作れません。
何十年も毎日毎日料理を作ってきた祖母。
彼女には一生追いつく事は出来ないのだろうなと思ってしまいますが、
これからも美味しく頂く事に精進していきたいと思います。
きょう子