スギヤマです。
先日、ふとNHKのど自慢大会をテレビで見ました。あの番組っていうのは歌の上手い人を見るというよりは、自信満々で気持ち良く歌ってる人を容赦なく奈落に落とす鐘の音。自信があればあるほどリアクションが面白くなるわけですが、たまに現実を受け入れられずにクールな対応をする人もおりますよね。そんな堂々とする人って営業マンにはすごい向いてるんだろうなぁとか、少しうらやましかったりもする分けです。
そんな事を考えてたら、あるバンドの事を思い出してしまい、アマゾンで久しぶりにDVDを購入してしまいました。2013年に劇場公開された「MADE OF STONE」
ぼくらの世代(昭和)ではかなり有名なバンドですが、THE STONE ROSESが2012年に再結成した時のドキュメンタリー映画です。同年フジロックのヘッドライナーとして来日してますね。
このバンドの醍醐味というか特徴の一つですが、ライブ時、本人の調子というかPAモニターの状況によってイアン・ブラン(vo)の音程がかなり左右されます。まともに聴けたもんじゃないのですが、そんな状況でも本人だけは何故か堂々としてるわけです。NHKのど自慢の素人さんレベルなのです。その逆に他メンバー3人はレベル高く「のど自慢」でいうと横森良造さんのレベルなわけです。なので、オーディエンスはボーカルに苦笑しながらもバンドの演奏には陶酔してる状態になります。
私がこのバントを知ったのは16歳。丁度高校の新しい友達なんかに認められたいとか、モテたいとか、何の努力もせずにそんなことばかり考えていたため、くだらない見栄をはりたがる時期でした。わざわざ新宿丸井の地下「Virgin Megastores」まで行く過程を友達に自慢したかったためだけに何となく買った1stアルバム。(地元国分寺の新星堂にもあっただろうに、、。)
軽薄な気持ちで買ったりするCDはだいたい2,3回聴いた後は徐々に棚奥に追いやられて2軍(Zチーム)の仲間入りなのですが、 今までに聞いたこともないサウンドにやられてしまいました。「I wanna be adored~♪」と歌うボーカルのイアン・ブラウンの音程はぎりぎりアウトなのに、その力が抜けた歌声に惹かれてしまいます。そして独特のリズム、重たいグルーブ、聴きなれないギターリフ。しかも、認められたい?あがめられたい?何ていう歌詞なものですから、自分とシンクロしちゃうわけで、予想を遥かに超えてハマってしまいました。とにかく、ライブの不安定さも含めて、聞くほどにハマっていくわけです、、、。
結局は1stからいろいろあって、2ndアルバム発売まででたしか6年近く掛かり、その後はメンバー不仲等で一人抜け二人抜け。カリスマ性も消え解散になります。解散間際のライブなんて苦笑どころじゃ済まないくらい聴けたものではありませんでした。
話が長くなってしまいましたが要するにそんな不仲で再結成はありえないと思っていたバンドが2012年に突然再結成し、ライブツアーを決行する模様を収めためでたい映画なわけです。
感想として、モニターシステムや録音編集技術のおかげか分かりませんが、昔ほど音程を外さずに歌ってる姿に一番感動しました、、、。
そんな彼らは現在アルバム制作中だそうですが、果たして何年後になるのか、販売されるかさえ分かりませんが、、、。彼らの仲が悪くなる前にもう一度ライブと新曲を楽しみたいものです。
↓この三人のjamりは最高!奇跡の再結成。
ちなみにですが、横森良造さんが2012年に他界されたのですね。ご冥福をお祈り申し上げます。