三浦展氏著「再考 ファスト風土化する日本~変貌する地方と郊外の未来」に弊社クリエイティブディレクター大島芳彦が寄稿しました。
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2004年に出版された『ファスト風土化する日本 郊外化とその病理』(洋泉社新書y)から19年、ロードサイドには大型商業施設が建設され、その土地固有の歴史・自然・風土が顧みられなくなる「ファスト風土化」してしまった日本。
ファスト風土論に影響を受けた小説家・建築家・研究者など各分野で活躍する13名がそれぞれの立場で綴った本書に、弊社大島が「見立てのファスト風土リノベーション」と題して寄稿をさせていただきました。
ファスト風土的な大量生産的住環境に対し、『リノベーション』という手法を用いることで、自分らしく社会に居場所や暮らす場所を見出すことを可能にしてきた大島の取り組みは、現在まちづくりの現場に広がっています。
まちを「見立てる」と言うキーワードから、どのような視点を持つことで消費されない地域の新たな価値を生み出してきたのかが語られています。
ぜひご覧ください。
内容
日本各地のロードサイドに大型商業施設が建設され、その土地固有の歴史・自然・風土が顧みられなくなる。まるでファストフードのように、生活や文化が均質化されていく。こうした問題意識から2004年に出版された『ファスト風土化する日本 郊外化とその病理』(洋泉社新書y)は強い危機感を抱く郊外エリアを中心に大ヒットを記録した。
――それから19年。もはやファスト風土が日本の隅々まで浸透した今、郊外は社会の何を象徴しているのか。オンライン技術が進化してもショッピングモールは消え去らないのか。好きでも嫌いでもない「地元」で過ごした日々にはどんな意味があったのか。ファスト風土の中で多感な時期を過ごした小説家・建築家・研究者ら13人による、令和の郊外論。
◎目次◎
序章 ファスト風土とは何か(三浦展)
第1章 地元に残れなかった者の、地元愛(山内マリコ)
第2章 ファスト風土暮らしの若者論(轡田竜蔵)
第3章 8ミリフィルムが捉えた秋田とファスト風土(石山友美)
第4章 郊外写真の系譜 ─ ファスト風土はどう視覚化されてきたか(鳥原学)
第5章 風景のリミックス ─ 新海誠とポスト郊外の想像力(畠山宗明)
第6章 ファスト風土世代の事件 ─ 悲しみを受け止める街の必要性(三浦展)
第7章 見立てのファスト風土リノベーション(大島芳彦)
第8章 ファスト風土から谷中へ(宮崎晃吉)
第9章 ファスト風土化する街を駅から耕す(伊藤孝仁)
第10章 イタリアから学ぶ脱ファスト風土(陣内秀信)
第11章 センシュアス・シティとファスト風土 ─ 「食」から考える地方創生(島原万丈)
第12章 女性が地方で生きやすくなるために(岸本千佳)
第13章 スローでボトムアップなまちづくり ─ 裏原宿・西荻窪・立川(籾山真人)
第14章 ヴァーチャル・ファスト風土批判(三浦展)
第15章 脱ファスト風土化の新動向(三浦展)
第16章 第五の消費社会5つのS(三浦展)
◎著者プロフィール◎
三浦展(みうらあつし)
1958年新潟県生まれ。社会デザイン研究者。82年一橋大学社会学部卒業。(株)パルコ入社。マーケティング情報誌『アクロス』編集室勤務。86年同誌編集長。90年三菱総合研究所入社。99年カルチャースタディーズ研究所設立。消費社会、家族、若者、階層、都市、郊外などの研究を踏まえ、新しい時代を予測し、社会デザインを提案している。
著書・編著に『下流社会』の他、本書との関連では『ファスト風土化する日本』『脱ファスト風土宣言』『下流同盟』『人間の居る場所』『愛される街』『吉祥寺スタイル』『高円寺 東京新女子街』などがある。