ブルースタジオ3作品が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
- 受賞
ブルースタジオが手がけた3つのプロジェクトが2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
■グッドデザイン賞 受賞作品
〔AGITO~コミュニティを生み出す秘密基地~〕賃貸向け集合住宅の共用部
【概要】
居住者の生活を豊かに、そして賃貸物件として10年20年後の 「武器」を作るため、 収益のある貸室をあえて住人カに利用できる共用部へとリノベーション。様々な機能を備えるだけでなく、 多世代が自発的に気持ちよく使える仕掛けを盛り込んだ。盛り込んだ。 これまで外で行われていた日々の活動が共用部でなされるようになり、 居住者同士の交流が深まった。
【審査委員の評価】
共用部を空間的に設けるのは簡単だが、運営主体者があまり介在しなくとも住民主体で使われるようにすることは極めて難しい。 この計画では、何を行えるようにするか、といった内容の検討にはじまり、波紋のような基本の構成、カラーリング、ルールブック、工事中の見学まで、入居者にとって「自分たちのものだ」と思えるための入念なデザインが、結果的に実際に積極的な利用を生み出しているようで素晴らしい。 またこうした場づくりが価値を生み、賃上げにまでつながっているのは、築年数と駅からの距離で決まってしまいがちな賃貸住宅分野に、少なくないインパクトがあるのではないか。
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〔GREEN BASKET〕賃貸共同住宅
【概要】
高齢化と人口減少が進む東京郊外ベッドタウン。 その社会課題に対して賃貸住宅と地域の大家が果たすべき役割とは、 消費されない誇りある住環境を、 自らが当事者として育むこと。 鷺沼という地でなければ、 その大家でなければ、 今の時代でなければ作り得ぬ、 ビジョンある住環境の価値を「更新」では無く、継承によって再構築するプロジェクト。
【審査委員の評価】
この計画の最も素晴らしい点は、オーナーの顔がみえる住まいを、リノベーションを通して作り上げたことだと思う。 ウェブサイトのコンテンツ、エントランスで使われるフラワーショップなど、誰の熱意によってこの場所ができているかが、住人にも地域にも伝わる。 この計画において、設計とは単なる住戸プランの設計ではなく、この場所・このオーナーでしかできない価値づくりの設計である。分野を横断してそれらを遂行してゆく考え方そのものが、今後の住宅業界に大きなインパクトを持つと思う。
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〔山の根の平屋〕戸建住宅
【概要】
70年間増改築を重ねてきた木造住宅を、 街並みを残したいという思いを受けリノベーション。耐震補強や断熱などの性能向上に割り切りながらも、 素材そのものの力を活かした 「デザインをしないデザイン」による、現代の暮らしに合う住宅へと生まれ変わった。 外と繋がる開放的な空間は 「公民館のような家」として近所の子供達に愛されている。
【審査委員の評価】
既存ストックの利活用は近年の住宅建築の重要なテーマの一つである。新築と見紛うリノベーション事例も多数ある中、本件は構造体をほぼあらわしにし、築70年の歴史そのものをデザインに転換してしまうという試みで、大変興味深い。 また閉ざされた門扉を撤去し、塀を低く抑えて庭を街に開くことで、地域の子供たちが集まる「公民館のような家」が実現している点も高く評価できる。 住宅を地域に開くことにより地域との繋がりを生み、その賑わいこそがセキュリティを高めるという考え方も優れている。他の住宅地においても「開くセキュリティ」という考え方が広まり、地域が賑わいを取り戻す契機となることを期待したい。
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