2009.01.14
カイハツチク
とある、中区の北仲通にある、団地。再開発地区にある、公団海岸通団地。
2009年を迎え、世界の目まぐるしさに息詰まり、
いっきに過去へとさかのぼる。
まるで満月のようなそのミラーは、砂に覆われて、
空さえ映してくれなくなっていた。
入居が始まったのは、1958年。
それから50年、
ドッシリとそびえたつタワーや、
マバユい観覧車なんかよりも、
もっともっとまえから、桜木町と春夏秋冬をともにしている。
みなとみらいの繁栄を、最初からみてきた団地だ。
戦後の住宅難解消のために建てられた公団住宅。
けれど、50年経った今、
そのニーズは不要とされ、
団地自体も不必要とされ、
温度計が9℃を示す冬の中、
今月中旬にも、解体工事が始められる。
だれにとって「不必要」かは、
だれもわからない中で、
壊すことだけは、確定されていることだから、
疑うことなく、きらめく高層ビルの足下で、
また一つ、
存在価値あるものが、失われていく。
だいすきな横浜が、
また、
ちょうどまつげの長さぐらい、
ほんのすこし、
変わっていく。
それを、
わたしはただ意識することしかできない。
こんな言い方するのは、ほんとうはイヤだけど、
数年後、更地になった北仲通をみて、
『ここって、もともとは何が建ってたんだっけ。。。』
と、思わないために、
数十年後、順調に開発された北仲通をみて、
『やっぱり高層ビルを建てて正解だった。』
と、単純に思わないために、
そのために、
2009年を越えたこの冬、しっかりとみてきた。
それこそ、
そこに確かに存在し、息をしていた証明を、
自分自身にするために。
そんなどんよりくもった、
ナニゲナイ日のことだった。
団地と重なってみなとみらいが目にはいり、
なんとなく、
東横線の桜木町駅が閉鎖された、あの日を思い出した。
あの日も、桜木町駅と重なって、
みなとみらいが見えてたんだ。
(ユキ)