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プロジェクト背景
Y 字路に佇むサロン

街の風景を壊さずに、自分らしさを付加する

東京、江古田の閑静な住宅街。
そのY字路に佇むのは、築50年ほどの小さな一軒家。
建てられた当初から、1階を美容室として使われてきた建物です。

知人が経営していた美容室を引き継ぐかたちで
この街にやってきた美容師のYさんは、不思議な縁を感じました。
実は、美容師であるお母様も昔ここで働いていたことがあるということ、
また、アットホームなお店を開きたいと考えていた Y さんにとって、
街に溶け込んでちょこんと佇むこの建物は、ぴったりの場所に思えたのです。

Yさんはこの場所にサロン「cocue」を開くことを決意しました。

Y字路の交わり目という特異なロケーションや、
元の所有者が自分で手がけた家ということもあり、オリジナリティのある形状。
この建物独自の雰囲気を気に入っていたYさんは、
それを壊さずに、自分らしさを付加したいと考えていました。

一方で、建物は築後50年。
耐震性や劣化による水漏れなど、建物の性能上の課題もありました。

そこでYさんは、この一軒家をまるごとリノベーションすることを検討。
建物の持ち味を活かしたセンスのいいデザインを期待し、
リノベーション事例の豊富なブルースタジオに依頼することにしました。

コンセプト
街のみんなの美容室

「新しさ」と「懐かしさ」の共存

元からこの建物は、人々に心地よい懐かしさを感じさせると共に、
そのロケーションから、街の表情をつくり得るポテンシャルをもっていました。

地域の人たちからも、日常の風景として長く記憶され、
3世代にわたって美容室を利用する人もいるほど、
誰かのお気に入りの場所でもありました。

そこで大切にしたのは、自分たちの美容室であり、
街のみんなの美容室でもあること。

これまでの時間とこれからの時間。それらが違和感なくつながるように。
「新しさ」と「懐かしさ」が共存した、コンパクトで愛らしい美容室を目指しました。

デザイン
世界観の統一

作品世界の空気感が漂うサロン空間に

リノベーションにあたり、まず行ったことは建物の性能確保。
戸建ての建物と永く付き合っていくのに、定期的なメンテナンスは不可欠です。

この建物の構造は、1階が鉄骨造で2階が木造という混構造形式。
今回は、各階の構造形式に適した耐震補強を行い、
屋根は新たに防水工事を行うことで建物の性能を向上させました。

1階はこれまでと同様、美容室として、2階は休憩室兼ヘアメイクアップアーティストであるご主人のラボスペースとして計画しました。

コンセプトは、「懐かしさ」と「新しさ」の共存。
今まで流れていた時間とこれからの時間とをつなぐエッセンスが必要でした。

懐かしさは、築50年の建物がつくり出す昭和レトロな雰囲気。
新しさは、これから「cocue」がつくり出していく世界観。
その両極の空気感を1つに表現したものが、
設計スタート時にすでに完成していたお店のWEBページの写真の中にありました。

その写真は、Yさんのご友人である写真家、本多康司さんによるもの。
断片的に紡がれた写真の中の空間を手がかりにYさんと打合せを重ね、
空間のトーンやディティール、サイン計画等のお店づくりを進めていきました。

オープニング
まちへのお披露目

これまでとこれからを繋ぐ写真展を兼ねて

地域の人たちに街の風景として記憶されてきたこの建物が、
まちのみんなの美容室であり続けるように、
「cocue」は、地域の人たちへのお披露目を行いました。

建物内には、以前の建物、美容室の写真を飾り、
これまでの時間とのつながりを感じられるように。
また、デザインの手がかりとなった
写真家、本多康司さんの写真展を兼ねて行いました。
作品群に写しだされているのは、フィンランドの秋の風景。
その場の空気や光、流れる時間までもが感じられるような作品です。

これらの作品世界の空気感が漂うサロン空間ができました。

その後
街と共に、新風として

街に溶け込みながら、物語へ誘う

リノベーションを終えた一軒家サロン「cocue」。
以前と変わらず、素朴なこの街に溶け込みながらも、
Y路地に佇むその愛らしい姿は、訪れる人や通りすぎる人を物語に誘い込みます。

今までは素通りされてしまっていた人たちの目にも止まるようになり、
サロンには新規のお客様が増えたそう。

これからのサロンについて尋ねると、
「私たちにも家族が増えたり、環境がかわったりといろんな変化があると思いますが、
この街と一緒に成長しつつ、常に新しい風を送り込めるような存在でありたい」とYさん。

サロンは街の人たちに愛されながら、これから先も存在し続けます。

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