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INTERVIEW No.40


クリエイションの
理想的な環境

株式会社森三平 / MORISANPEI

「IQサプリ」や「いきなり黄金伝説」、「世界一受けたい授業」などの人気バラエティ番組を盛り上げているユニークなCGアニメーションは、誰もが1度観たことがあるのでは?これらのアニメーションを制作しているのが、株式会社 森三平です。

森三平の役員兼現役のクリエイターでもある、森山ヒロカズさん、三宅大介さん、小平和久さん、の3氏にお話しを伺いました。

ブルースタジオ(以下BS) 森山ヒロカズさん、三宅大介さん、小平和久さん

理想的な制作環境

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渋谷駅改札を出て、明治通りを恵比寿方面に12分ほど歩いた先の、
閑静な住宅地のなかにある森三平のオフィス。
120平米を超える広々としたフロアは、1人ひとりがゆとりを保って制作に集中できる環境が。

BS 渋谷とは思えない落ち着いた場所ですね。
小平 そうなんです。東京の下町みたいな雰囲気が気に入っています。実は、この物件の前に見ていた恵比寿の物件に申込みまで入れていたんですが、契約の直前にこの物件を紹介してもらって・・・。
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森山 3人とも気に入ってしまい、担当の方には申し訳なかったですが、急遽この物件を選んだんです。それで、御社にデザインをお願いしました。
BS デザインの打合せでは、どんな希望をだしましたか?
小平 電気の配線はデザイナーさんによく考えてもらいましたね。前のオフィスでは、一気にレンダリングをかけたりするとブレーカーが落ちていたんです。あと、機材の熱がこもって、夏場は働きたくなくなってしまうほどの暑さで。今は、エントランスの脇に機材室を1室設けています。
三宅 それと、亀の水槽をつくってもらいました。どんどん大きくなるので、前のオフィスでは水槽も次々に買い替えていて・・・。
BS 亀は森三平さんの企業マークにもなっていますよね。何か思い入れがあるのですか?
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小平 会社を設立するちょうど1ヶ月前に、夏見坂の縁日ですくったんですよ。モナカで。単にそれだけの理由なのですが(笑)。結果として今は、僕達の会社の企業マークになり、スタッフ含めこのオフィスに訪れる人の癒しの存在になっています。
三宅 亀は長生きの象徴なので、僕達も長く活躍できるように!・・・でも、後付の理由です(笑)。
BS キャラクターのフィギアが沢山置かれているのは、お仕事柄でしょうか?
小平 それもありますが、単に趣味で置いている方が多いかも(笑)。仕事では、漫画を参考にすることが多いですね。
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TV業界のCG制作

BS 恐縮ですが、森三平さんで制作しているCGアニメーションというのは、実際に番組内のどの部分なのでしょうか?
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3人の役員室で、森三平さんの作品集を見せていただきました。
三宅 例えば、「いきなり黄金伝説」のオープンニングのタイトルバックやコーナーの冒頭で使われている芸人のキャラクターアニメーションです。「IQサプリ」では、新感覚の間違い探しなど、クイズ問題の多くを担当していました。 「世界一受けたい授業」では、渋滞が起こるメカニズムをアニメーションで再現しましたね。番組の内容を視聴者に分かりやすく伝える役割でも、アニメーションはよく使われます。意識して見ていないとなかなか気付けないですが、1番組あたり大体10~20のアニメーションが使われているんですよ。
小平 今見せたのが2Dの作品で、これから見せるものが僕が担当している3Dの作品です。今見ているのは、丹下健三の建築を組み合わせるとロボットになる!という実証ですね。
BS TVの仕事を多く担当されていますが、制作物の納期はどのくらいですか?業界柄ものすごく短いのでは...?
森山 短いですね。2Dアニメの場合、1週間前に発注をいただけることは稀です。大体3,4日の納期が多いですね。明日放映のアニメーションを依頼されることもありますよ。
BS (作品集を見ながら)これが、3、4日で出来るなんて驚きです。

伸び伸びと働ける環境をつくりたい!

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BS 森三平を設立された経緯を教えていただけますか?
森山 僕達は前の職場で出会ったのですが、そこでは徹夜が当たり前。家に帰らない日が何週間も続くような劣悪なワークスタイルを3人が経験したんです。
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小平 納期の短い仕事を無理やり取ってきたり、上司のチェックが入り制作物を1から作りなおしたり・・・。その結果、会社に泊まり込みで作業をしていました。徹夜で仕事をすることの、効率面や発想力でのロスを感じていましたね。
三宅 もっとクリエイターが伸び伸びと働ける環境をつくれるんじゃないかと。それで、森山をリーダーとして3人で森三平を設立したんです。
BS 現在は、どのようなワークスタイルなのでしょうか?
森山 基本的に12:00始業の実働8時間で、僕達3人がたまに遅くまで仕事をすることがあっても、スタッフには残業をほとんどさせずにやれています。
BS それはすごいですね。どのように多くの仕事をこなしているのでしょうか?
森山 僕達は、納期が短すぎる仕事は敢えて断わることもあります。無理に多くの仕事を抱えるよりも、1つ1つの仕事において、迅速な対応やクオリティを大切にしています。 驚くかもしれませんが、森三平には営業部隊がいないんです。担当のディレクターさんが別のディレクターさんを紹介してくれたり、評判を聞いたディレクターさんから、新しいご依頼をいただり。そのつながりから仕事を獲得し、広げてきました。
小平 森三平は、隙間産業と言えるかもしれません。
BS 隙間産業?
小平 ええ、アニメーター業界全体の問題として、低賃金、劣悪な労働環境などがあって、仕事としてやっていきたくても続けられない人も多いんです。そんな中で僕達は、有り難いことにTV業界内に信頼を確立することができた。
三宅 ブルースタジオさんの作品を見ていると、時代ごとに雰囲気が違っていますね。
BS 家を創り上げる楽しさやクオリティの高い設計、施工をご提供して、お客様に感動していただく。その点は変わりませんが、最終的に出来上がる形はデザイナーによって違うかもしれません。アニメーションでは、誰の作品か?で違いがでますか?
小平 TVのお仕事では、以前に手がけた作品と"同じような感じ"を求められることが多いんです。自分の中で、前より少しでも良い作品を作るように心掛けていますが...。
三宅 僕達は、好きなことの延長線上に仕事があるという感じです。そこで、僕達のやりたいことが仕事になるのか?ならないなら、自分たちで制作するか?これからの森三平の課題ですね。
森山 現在TV業界のお仕事が9割ほどですが、今後、映像という媒体の視野を広げて、WEBや映画、CM、DVDなどの仕事も手掛けていきたいですね。現在も、映画の背景CG制作のお仕事など、少しずつご依頼をいただいています。

2009年5月22日 (株)森三平、渋谷のオフィスにて
インタビュアー:和田亜弓(blue studio) 撮影:岩田啓治(blue studio)

株式会社森三平

MORISANPEI

前職CG制作会社で森山・三宅・小平が出会い、2006年に(株)森三平を設立。
「世界一受けたい授業」「いきなり黄金伝説」「IQサプリ」等、
各局の主力番組のCGアニメーションを手掛けている。





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