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INSIDE Vol.32


“時の移ろい“を味わう暮らし

Vol.32

東京都世田谷区『QUANDO』 新築賃貸 カップル
専有面積: 59.12㎡
職種: デザイナー
趣味: マラソン

SNSで“ひと目惚れ“

若いカップルや親子連れ、年齢を問わずひとが集まる賑やかな三軒茶屋の駅前。晴れた日曜日の午後、かわいらしい雑貨屋さんに目移りしながら商店街を抜ける。遠くに賑やかな声を聴きながら細い路地に入ると、おだやかな住宅街へと空気が移り変わっていく…
入り組んだ道が迷路のような、どこか懐かしい街・太子堂。この土地に新しく仲間入りしたのが4戸建ての賃貸住宅『QUANDO』だ。

デザイナーの大介さんと同居人の苑さんのカップルは、2、3階メゾネットに暮らしている。もともと一緒に住む予定はなかったふたり。QUANDOとの出会いは、大介さんが定期的にチェックしていたこだわり不動産を紹介するSNSからだった。

「外観、特にファサードの格子戸にはもう…ひと目惚れだったなぁ」(大介さん)
黒い外壁のシャープさと木製格子の優しさを併せ持つ外観が、ふたりのセンスにぴったりとハマった。内見ではバルコニーも苑さんの心を奪い、あっという間に入居を決断することとなった。

上:光がもれて中の様子を感じられる外観。下:玄関の靴箱には植物や姫だるまが置かれている。

難しくて面白い、空間の使いこなし方

玄関から3階までが縦につながる吹き抜け、2階リビングに光をとりこむ大きな窓、もちろん外観だけでなく室内もシャープで洗練されている。そんなデザイン性の高い空間を使いこなすことに、難しさはないのだろうか?

「この空間をどう生かそうか、考えさせられるんです。インテリアを少し動かすだけですぐに印象が変わるので、工夫しがいがありますよ。」(大介さん)
二人分の衣服を収納するスペースにだけは苦労したというが、洗練された空間をさらに自分好みに工夫する難しさは、デザイナーである大介さんのクリエイティブ心をくすぐるようだ。住み始めて約8ヶ月、「インテリアの配置は、気づくとちょっとずつ場所が変わっているんです(苑さん)」と大介さんの日々の試行錯誤を明かしてくれた。

QUANDOはスチールハウスではあるものの、棚や照明にも細やかに木の優しさが生きた家だ。床も天井も木が覆うリビングは木に囲まれる心地よさがあり、ふたりをくつろぎのひとときへ誘う。新築だったこともあって越してきたばかりの頃は、木のかおりがいっぱいに広がっていた。
「家に対して、あえて気を遣わせるようにデザインされているよね」と大介さんは言う。木は生きた素材だ。ものを落としたら傷ついてしまうし、時間の経過とともに表情も変わる。繊細な素材をふんだんに使うことで、そこでの暮らしを丁寧に過ごそうという心遣いを生んでいるのだろう。

上:リビングの一角に置かれた収納棚。この配置も日々模索しているそう。下:3階のバルコニーに面した窓にも植物や絵が。

日常が色づく おはようのコーヒー、ただいまの音

カーテンのない寝室、陽の光とともに大介さんの朝は始まる。
まずは部屋のあちこちに置かれた植物たちに水やり。それから朝の体操でからだを起こし、豆から挽くこだわりのコーヒーを淹れる。吹き抜けは、3階で寝ている苑さんのもとへコーヒーの香りを運んでいく。満員電車で出勤する苑さんに対して、大介さんは歩いて松陰神社前にあるシェアオフィスへ。音楽を聴きながらの道中はなかなか気持ちのいいものらしい。

吹き抜けは、音も運んでくれる。
「帰ってきたことが、すぐにわかるんですよね。」(苑さん)
2階で夕食を作る苑さんに、帰宅した大介さんが格子戸を開ける音が聞こえる。夏は戸に風鈴をつけて、涼しげな“ただいま“が響いた。

平日は、仕事に行って帰ってくるだけで1日が終わってしまうもの。そんな忙しい毎日だからこそ、ともに過ごせる夕食は大切な時間だ。陶器を集めるのが趣味である苑さん。ふたりで訪れた骨董市で手に入れた器は、夕食を一層豊かな時間にしてくれる。

上:キッチンの上に並んだお気に入りの食器たち。中:毎朝淹れるコーヒーセット。下:寝室の窓辺に飾られた絵。

休日は、暮らす街の中で

「休日はできるだけ、太子堂だけですませたいんです。」(苑さん)
QUANDOに住み始めてから、休日にお金を使うことが少なくなったという。電車に乗ることも減り、遠出せずに家で過ごすのがいちばんの癒しになっているそうだ。

バルコニーのベンチでぼーっとリラックスするのは、苑さんのお気に入りの時間。近くの銭湯の音が聞こえてきたり裏の太子堂八幡神社の豊かな緑が望めたりと、住む街の息づかいを近くに感じる。秋にはふたり並んでお月見、夜空の下での晩酌は素敵な思い出になった。

また、近所のお店の探索もふたりの休日の定番。普段は素通りしていたお店に足を踏み入れたら、実は雑誌で紹介されていた名店だった、なんて発見も楽しいものだ。
松陰神社には行きつけのお花屋さんがあり、「生花だけよりも家に合う感じがするから」と生花とドライフラワーの2種類を揃えている。ドライフラワーを飾る吹き抜けの壁は、季節とともに変わる日差しに照らされてまた新しい表情を見せた。

上:リビングに飾られたドライフラワー。背面の吹き抜けの壁は墨入り塗料で塗装。下:3階の寝室から見下ろす。室内は空間が立体的につながっている。

街に馴染んでいく

いつものように近所を散歩するある休日、町内会の掲示板が目に入った。そこには「域メン募集!」の文字。域メン=地域をともに活性化しよう、という新しい誘い文句は大介さんを引き付けつつある。

「QUANDOに住んで初めて、地域に入っていきたいなぁという気持ちになりましたね。」(大介さん)
太子堂は八幡神社のお祭りが賑わいを見せることで有名な街。そんな歴史もあって、現在も地域のイベントがさかんに行われる。駅前の商店街では、店舗同士が協力して大道芸やラテンフェスティバルなどの祭りをたくさん開催している。地域に溶け込み自然にお隣さんと挨拶をかわす、そんな場面があたりまえに起きるのも適度な人情味があたたかい街だからこそなのかもしれない。

住宅の外観に魅せられて始まった生活。お気に入りの空間を最大限に充実させることは、やがて季節の変化を味わい、地域とのつながりを楽しむ暮らしへとふたりを導いた。日常の繊細な変化を感じ取りながら、生活自体を慈しむ毎日がここにはあるのだ。

上:玄関を入るとすぐに階段があり2階のリビングにつながる。下:大屋根にまもられた建物が太子堂の街並みに溶け込んでいる。

2017/11/26 QUANDOにて
TEXT: 東村ほのか PHOTO: Yoshiyuki Chiba

今回の入居物件のご紹介

東京都世田谷区『QUANDO』
構造・規模:軽量鉄骨造3階建
専有面積:35.04~59.12㎡
竣工年:2017年





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