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INSIDE Vol.20


色があふれる
団地2人暮らし

Vol.20

日野市『AURA243』 リノベーション 住居 カップル
専有面積: 42.3㎡
職種: ***
趣味: 街散策、写真

築50年の「団地」環境の再生

『AURA243 多摩平の森』(以下、AURA243)がある東京都日野市「豊田」駅は、新宿から特快で約30分。中野、高円寺、阿佐ヶ谷、吉祥寺……。中央線沿線の個性豊かな街を見送り立川を過ぎると、車窓から多摩の山々が見えてくる。「豊田」駅を降りて河岸段丘を眺めると自然に還った感じがする。ここは、日野台地の突端に位置する多摩平。都心からたった30分で味わえるこのトリップ感は爽快だ。

多摩平の歴史を辿れば、縄文時代から人が住んでいた場所だと分かる。大正時代には、天皇の御料林として守られた森が生い茂り、戦後この場所に農村神学校を開いたストーン牧師の話は今も語り継がれている。昭和30年代中盤、歴史が豊かさを証明するこの場所に、公団住宅「多摩平団地」が建てられた。

それから50年。多摩平団地の住棟5棟が建つ敷地一帯が、「たまむすびテラス」として再生された。『AURA243』はその一部で、入居者だけでなく、周りの団地住人や地域住人を含めた人たちが、豊穣な大地とかかわりながら過ごすことができるきっかけを散りばめた賃貸住宅だ。

都心から移住 決め手は窓からの眺め

『AURA243』の最上階の部屋に入居しているのは、こまつさんとたにあいさん。ここに住む以前は馴染みのある街、高円寺に住み、好きな街での暮らしを満喫していたそうだ。その部屋が段々と手狭になり引越しを考えるようになったが、周辺の家賃と広さの折り合いがつかないまま時間が経っていた。そんな時、多摩平の団地再生プロジェクトでブルースタジオが設計を手がけていることを知った。

「始めは、1LDK、42平米で8万円台という値頃感に驚いて。ちょうど彼の職場が都心から離れたこともあって、東京の西側エリアに移住するのもありだなと思ったんです。ブルースタジオの物件に1度は住んでみたい!という想いも大きくて」(たにあいさん)

「大人になってから団地が好きなんです。ゆったり建っていてバルコニーから緑や空を眺められたり、間取りが縦長ではなく横に広いので、風が抜けるところも気持ちよくて」(こまつさん)

『AURA243』はまだリノベーション工事中だったが、完成を心待ちにしていた2人は内装を解体したスケルトン状態の部屋を内見して早々と入居を決めた。決め手となったのは、天井が高いことと眺めの良さ。窓からは、隣の団地型シェアハウス『りえんと多摩平』の真っ白な住棟と青空を眺めることができる。


リズミカルに色が配された部屋

玄関ドアにはカラフルなマグネットの表札。ドアを開けると、玄関には木製のラックに2人分の靴がきれいに収まっている。ベッドルームとリビングの仕切りやオープン収納の目隠しなど、至るところにマリメッコの布が掛けられている。

「以前住んでいた部屋でも布を間仕切りの代わりにしていたんです。それが、AURAにもちょうどぴったりで。ほとんどの家具が前から使っていたものなのですが、この部屋に来てもいきいきと楽しそうにしてくれていて嬉しいです」(たにあいさん)

たにあいさんのセンスで選んだものを、最終的に彼が確認してから購入する。2人で暮らすようになってからそんな風に買い集めた物が、素材感を生かしたシンプルな空間の中にリズミカルに配されている。

「以前は、「家」というよりも、住んでいる「街」に帰りたいな、という感じだったんです。でも、ここに住んでからは、この「家」に帰りたいなと思うようになりました。この家に住んで、家で過ごす時間が長くなったし、もっと料理をしていきたいなと思うようにもなりました」(たにあいさん)

既に10世帯ほどの入居が始まった『AURA243』では、翌週末にウェルカムパーティが予定されている。貸し菜園の隣にある東屋とバーベキューサイトを会場に、入居者や近隣に住む菜園の利用者を招き、食べたり飲んだりしながら互いに知り合うきっかけにしてもらうものだ。こまつさんとたにあいさんも参加するつもりだという。

「まだ他の住人の方とお知り合いになれていないのですが、ここにどんな人たちが住んでいるのかとても気になっているので」(こまつさん)

昔の団地にあったようなご近所さんとのつながりが、『AURA243』でも育まれていくかもしれない。白いキャンバスに色とりどりの絵を描いたような2人の家。その明るい暮らしは、これから「家」の外側にもにじみ出ていきそうだ。

2011年9月11日『AURA243 多摩平の森』にて
撮影:薬師寺将 取材・文:和田亜弓(共にbluestudio)

今回の入居物件のご紹介

東京都日野市『AURA243 多摩平の森』
専有面積:42.30平米
竣工年:昭和30年代中頃
リノベーション完了:2011年7月





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