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INSIDE Vol.16


理想の住まいを
移り住む

Vol.16

東京都目黒区『monnik』 リノベーション 住居 シングル
専有面積: 39.82㎡
職種: 会社員
趣味: テニス・水泳・自転車・ピラティス 他

新築タワーマンションから一転、「空間に一目惚れしてしまって」

「ブルースタジオ的賃貸生活レポート」というテーマのこのコーナー。今回は例外だが、“賃貸に近い感覚”で住まいを購入した人を紹介する。

渋谷、代官山、中目黒、祐天寺など……。リノベーション済みの販売物件『monnik』がある東急東横線の沿線には、人気のアパレルブランドやセレクトショップ、カフェ等が点在し、オシャレに敏感な大人たちが街を行き交う。いつも遊びにいく街に住みたいと考える人は多く、賃貸物件探しにおいても人気の沿線だ。一方で、住みたい街に家を買ってしまうという選択肢もある。

「当時、友人たちの間で家を買うのが流行っていたんです。そんな周りの雰囲気で、僕も家を買うことを考え始めました」

そう話す桜庭さんは『monnik』を購入した2007年当時、28歳。実際にその頃家を購入した同世代の友人たちは、将来の住み換えを視野に入れて新築のマンションを購入していた。桜庭さんも同じ考えで、神奈川県川崎市にある新築のタワーマンションに申し込みを入れようとしていた。その物件は、コンシェルジュや展望ラウンジ付き。当初は、共用施設やサービスに魅力を感じていた。

「申し込みを入れようとしていたちょうどその頃、リノベーション物件というものを知り、ブルースタジオのWebサイトで『monnik』を見つけました。当時も東横線沿線に住んでいたこともあり、軽い気持ちで内見しに行ったんです。ところが、空間に一目惚れしてしまって。その場で購入を決めることになりました」

玄関のドアを開くと、通常そこにあるはずのこじんまりとした下足所はなく、玄関からオープンキッチンまでモルタルの土間が続いている。部屋に入ると、コンクリートの躯体がむき出しのシンプルな空間が広がっている。この時に感じた新鮮な驚きが、川崎の新築タワーマンションから一転、東京都目黒区の築39年のマンションへと桜庭さんの心を動かした。

『monnik』での生活

桜庭さんの部屋には、デザイン性の高い家具や家電、キッチン雑貨などが溢れている。家具の多くは、名古屋へ転勤していた頃にこつこつと買い揃えたもの。東京に戻ってからは家具の置き場所に困っていたが、『monnik』ではゆったりと置くことができた。テレビの前に置かれたハンス・J・ウェグナーのソファベッドは、『monnik』に住んでから中目黒の家具屋で購入したもの。眠るとき以外は布団を片付けてしまうので、生活感を感じさせない。

「代官山、中目黒へは歩いていける距離なので、休日は街を散策しながら新しいお店を開拓しています。桜の季節には目黒川を散歩しましたね。駅からは少し距離があるんですが、すぐ近くのバス停から渋谷まで出られるのが意外に便利でした」。『monnik』に住んでから自転車を購入したことによって、日常的な行動範囲が世田谷区、港区あたりまで広がったという。

桜庭さんの部屋を訪れて、「靴のままどうぞ」と通されたのが新鮮だった。タイル貼りの床なので、多少の傷や汚れは目立たない。「初めてこの部屋を訪れる人が、普通のマンションの外観からは想像もつかない内装にまず驚いてくれるんです。そこで『下足のまま入ってください』と言うと、もう1度驚いてもらえる。その反応がなんだか嬉しくて」と桜井さんは笑う。

「ここに住んだことで、生活が一気に華やかになったんです。新しく知り合った人と『家が近い!』ってことが多いんですよ。おかげで近所の友人が一気に増えました。ここには人を呼ぶ運気があるのかな?と思うほどです」。友人に囲まれた毎日は楽しい予定の連続だ。2009年の年末には、この部屋を会場にたくさんの友人たちを招いてカウントダウンパーティを開いた。広い玄関の土間や大きなワンルームは、友人が一気に訪れても気持ちよく迎え入れることができる。桜庭さんのアルバムは笑顔が溢れる写真でいっぱいだった。

「身の丈の家を買う」という選択肢

沢山の思い出が詰まった『monnik』だが、桜庭さんが手放す時がやってきた。

「元々、5年くらいで次の住まいに移ろうと考えていたんです。なので、予定より少し早いのですが、結婚を機に、この部屋を売却することに決めました。家を買うのは人生に1度きりという人がほとんどだと思いますが、大きな買い物なので、色々なタイミングで判断や決断が求められる。そういった点で、僕は1度経験できたので、次の家を買う時はもっと慎重に、もっといい買い物ができると思うんです」

人を引き寄せる桜庭さんの住まい。それは、借りもの感覚でない、自分の住まいを持ったからこそではないだろうか。

初めて自分で賃貸住宅を借りるとき、人生で初めて「住まい」と真剣に向き合う。初めて手に入れる自分だけの空間を夢見て、沢山の不動産情報の中から物件を探し始めると気付く。駅から何分、南向き、バストイレ別などの言葉が並んでいるが、結局はどれもこれも似たような単身者向けのワンルームじゃないかと。ブルースタジオのWebサイトのような賃貸不動産のセレクトショップで住みたいと思える部屋に出会えることもあるが、「賃貸だから」と妥協して部屋を決めていることが多いと思う。

賃貸不動産の中に住みたい部屋がないのなら、身の丈の中古物件を「買う」という手段もある。桜庭さんのようにリノベーション済みの中古物件を購入したり、中古物件を購入してリノベーションしたりすれば、毎月の住居費を家賃と同等に抑えながら、好みの住空間を手に入れることができる。住みたい街に家を買うという方法は、いま賃貸物件を探している人にとっても検討しがいがある選択肢の1つである。

2010年9月18日『monnik』にて
撮影:黒田歩 取材・文:和田亜弓(共にbluestudio)

今回の入居物件のご紹介

東京都目黒区上目黒『monnik』
専有面積:39.82平米
竣工年:1971年
リノベーション完了:2007年3月





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